小説「沈まぬ太陽」の感想

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夫婦が語る小説「沈まぬ太陽」

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私達夫婦の小説「沈まぬ太陽」感想記です。これから読もうとされている方の参考になれば幸いです。

小説「沈まぬ太陽」のオススメ度

小説「沈まぬ太陽」

「沈まぬ太陽」山崎豊子の作品の中でも屈指の名作で、歴史小説以外でこれ程のめり込んだ本は存在しません。

【アフリカ篇】
国民航空(現JALがモデルとなっている)に入社しエリート街道を歩むと思われた主人公の恩地元が、半ば強引な手法で労働組合の委員長に就任させられて以後、社内的に不平等であった様々な立場の社員の待遇改善の為に全力で会社側と団体交渉にあたり、社員の大半から支持されたが、やがて彼を会社側の執拗な報復人事が待ち受けます。
まず海外赴任で当時過酷な環境下にあったパキスタンのカラチへ左遷。
生活環境はあまりにも日本と異なり、帰宅しても天井にイモリが這い、台所にはゴキブリの大群が生息し、電気の紐に南京虫がぶら下がる・・・凄惨な日々の中でも従来就いてた仕事と全く異なる職種を勤め上げます。
そして、海外赴任(特に僻地)は任期が2年間という内規を無視して次ぎに会社から赴任を命じられたのが、同じく僻地とされていたイランのテヘラン。
ここで商売が出来たら、どこへ行っても通用すると言われるペルシア商人、現地人を相手に酷い目に遭いながらも歯を食いしばって仕事を全うしていきます。
片や、かつて労働組合の副委員長として恩地と行動を共にした行天は会社側へ寝返り、異例の昇進を続け、自身との境遇の差の打ちのめされそうになりながらも、労働組合と決別する事を条件に帰国と出世をちらつかせ懐柔しようとする会社に対して断り、自身の意志を貫き通します。
長い長い僻地での赴任の間に、主人公を心配し帰国を待ちわび続けた母が亡くなり、絶望と無力感に苛まれますが、それでも遠く離れていても固い家族の絆で精神的に崩壊を免れながら耐える日々が続きます。
がしかし、今度こそ帰国を信じた主人公の期待はまたしても執拗なまでの会社の報復人事に妨げられ、自社の飛行機すら飛んでいないオフラインの遙けき国、ケニアのナイロビへの赴任。
とにかくこのアフリカ編では、恩地元の意地と誇り、国民航空(会社側)の執拗なまでの報復と差別、かつて恩地元と行動を共にしながら道を違えた行天の存在、それらを時系列を前後させながら話が進んでいき、一部やや中弛み的なページは有りますが、ほぼ一気に読んでしまうだけの内容になってます。 今の時代なら、会社が嫌なら辞めればいいと簡単に転職してしまうのかもしれませんが、この本を読むと職務を全うする事の大切さ、大変さを改めて感じ、投げ出してはいけないという気持ちにさせられます。

【御巣鷹山篇】
520名の尊い命を一瞬で奪ってしまった航空史上最悪の国民航空のジャンボ機墜落事故。
御巣鷹山に散った魂とバラバラの遺体を収容し、絶望と悲嘆にくれる遺族達のお世話係として、主人公は「加害者」である国民航空の社員として矢面に立つ。
凄惨な現場で大事故を真摯に受けとめる者と、それだけの事故を起こしながらも尚腐敗していく国民航空という、およそ空の安全とは程遠い体質の企業に対して、怒りを禁じえません。 山崎豊子らしく、緻密な取材により点から線へと繋げられたこの「沈まぬ太陽」は、何とも腹立たしい国民航空の無責任体質が引き起こした大事故を鮮烈に描く一方、無責任の最たる経営陣は自己の保身と利権絡みで政界と癒着し、烈悪な労組分断策を行いながら、実施してきた昇格差別を改めない。そしてそうした経営陣の失政の犠牲になって過酷な勤務を命じられながらも『空の安全』の為に責務を全うする機長や整備士、一部の社員達・・・。
大きなうねりの中であらゆる人が苦しみ、或いは貪婪なまでに利権を貪る。読んでいくと暗い気持ちになりますが、読んで良かったと思える本です。現在も改善されないJALの内紛を見ていると、どうしても乗りたくなくなってしまう・・・・・・。

【会長室篇】
未曾有の死者を出したジャンボ機墜落事故を契機に、国民航空の体制刷新を図る為、利根川総理は三顧の礼をもって関西紡績会長の国見を国民航空トップに据える。
国見会長は、ジャンボ機墜落事故を起こした重大なる責任を背に、「空の絶対安全」確立の為に会長室を設け、そこへ主人公の恩地を抜擢し、自らが先頭に立って寸暇を惜しまず果断に改革を実行する。
がしかし、民営化を控えながらも国民航空の膿は末期的状態にまで拡がっており、国見会長による改革で利権を失いたくない者達は、あらゆる手を使って妨害。主人公の恩地もこの黒い力の前には無力であり、国見会長はやがて八方塞がりに追い込まれ、自身を推した利根川総理までもが・・・。
正直言うと、最後の方の描写が妙に薄く、流している感じで終わってしまうので、山崎豊子の他の作品の様にちょっとでもすっきりするシーンが有りません。 正しい筈の人間が追い込まれ、悪しき筈の人間の大半が苦境に立たされる事なく終わる・・・ある程度真実をベースにしているとはいえ、最後の部分はもう少し読者をすっきりさせて欲しかった。
行天常務もここまで引っ張ったからには、最後はどん底に落ちるところがじっくり読めるかと思いきや、非常に短い文章で片付けられてしまっているし、読後の満足度を会長室篇(下)の後半で下げてしまったのが残念でした。
それにしても面白いのは間違いなく、オススメ本です。

「沈まぬ太陽」の実在人物(モデル)比較

恩地元 → 小倉寛太郎(元日航労働組合委員長)
行天四郎 → 不明
国見正之 → 伊藤淳二(日航会長・元鐘紡会長)
堂本信介 → 高木養根(日航社長)
桧山 → 松尾静麿(日航社長・航空庁初代長官)
小暮 → 朝田静夫(日航社長・元運輸次官)
海野昇 → 山地進(日航社長・元総務庁次官・運輸官僚)
三成通男 → 利光松男(後に日航社長・小田急電鉄創業者である利光鶴松の長男)
八馬忠次 → 吉高諄(後に日航常務・空港グランドサービス社長)
岩合 → 石川芳夫(日本航空開発社長)
権田宏一 → 渡辺武憲(後に日航名古屋支店長・ジャルエクスプレス社長)
轟鉄也 → 大島利徳(ジャパン・ツアー・システム副社長)
秋月純 → 萩原雄二郎(日本航空開発会長)
永尾 → 長岡聰夫(日航常務・元大蔵省印刷局長・国際金融局次長)
田丸 → 安藤光郎(日航常務)
和光 → 服部功(日航監査役)
川野 → 平野聡(後に日航常務・同顧問)
岡部 → 岡崎彬(日航部長・全日空第2代社長である岡崎嘉平太の子息)
利根川 → 中曽根康弘
竹丸 → 金丸信
十時 → 後藤田正晴
道塚 → 三塚博
永田 → 福田赳夫
龍崎一清 → 瀬島龍三
青山竹太郎 → 糸山英太郎
石黒 → 黒野匡彦(後に運輸次官・成田国際空港社長)
井之山 → 井上一成
安西富貴 → 佐藤昭子
不二 → 不破哲三(共産党委員長)
鷹名 → 高尾健博(日本経済新聞編集委員)
小野寺 → 小佐野賢治(国際興業会長)
三島 → 五島昇(東京商工会議所会頭・東京急行電鉄会長)
永井藤夫 → 澤田秀雄(エイチ・アイ・エス会長)

山崎豊子の小説


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