小説「不毛地帯」の感想

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夫婦が語る小説「不毛地帯」

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私達夫婦の小説「不毛地帯」感想記です。これから読もうとされている方の参考になれば幸いです。

小説「不毛地帯」のオススメ度

小説「不毛地帯」

白い巨塔」「華麗なる一族」をドラマで見て、「沈まぬ太陽」を本で読み、完全に最も好きな作家になった山崎豊子の作品「不毛地帯」を読みました。
ちょっと古臭い印象のある時代を対象としていたんですが、BOOKOFFで1冊100円で売っていたので4巻揃えていざ読み始めると、1巻は大半が終戦時に大本営参謀が故にシベリアに11年間抑留され、飢餓と過酷な強制労働で辛酸をなめ尽くす主人公の壱岐正(いきただし)の凄惨な日々がこれでもかという程に描写されている為にしんどく、やや退屈になってきます。
が、日本帰還を果たし、大門一三社長に三顧の礼をもって請われ入社した総合商社の近畿商事(伊藤忠商事がモデル)に舞台が移ると俄然面白くなり、熾烈を極める防衛庁の次期戦闘機選定に図らずも深く関わり、壮絶な黒い商戦に巻き込まれ、大事な友を悲惨な形で失う。
FX戦の功等で業務本部長に昇進した壱岐正は、社内から批判を浴びながらも総合商社としての企業力を構築すべく業務本部に全ての情報が集まる人的、組織体制を築く。がしかしそうした壱岐に対し、かつては自分の軍歴を利用し、FX商戦に利用した上司である里井副社長からは異例の昇進を続ける自身へのあからさまな警戒心と態度をとられ、遂には妻の事故死を期にアメリカ近畿商事の社長という名目で体良く放逐される。
だが、アメリカ近畿商事での仕事に心血を注ぎ込み、アメリカのビッグ3と言われる大手自動車企業のフォークと日本国内3位のシェアながら経営不振に喘ぐ千代田自動車(いすゞ自動車がモデル)との提携交渉でライバルの東京商事(日商岩井がモデル)と激烈なフォーク争奪戦を繰り拡げる。がこれも、里井副社長との折り合いが悪く、副社長という立場からこのビジネスのイニシアティブを握る里井の慢心と油断、おごりによって東京商事に土壇場で敗退。これを機に大門社長の里井副社長への信頼が薄れ、逆に壱岐への信頼は高まる。
遂に近畿商事ナンバー3の専務となった壱岐正が次ぎに臨んだビッグビジネスは石油。
イランのサルベスタン鉱区の石油開発に対し、五菱商事をはじめとする国内連合軍から離脱し、インディペンデントのオリオン・オイルと組んで国際入札に挑戦し、死闘を制して見事落札。だがその鉱区で掘れども掘れども出て来ぬ石油に大門社長や社内から冷たい目と避難を浴びるが、遂に待望した石油が出て名実ともにナンバー2の副社長となる。
ここで壱岐副社長が大門社長に進言した内容とは?その目的は?
近畿商事という商社マンの壱岐正と、11年間の空白が微妙な影を落とし、まとまりながらも今にも崩れそうな脆い家族の絆、そしてかつての戦友達と帰国後に出会う自決した上官の娘との関係・・・。
山崎豊子の作品は主人公が最後まで報われないケースが多いんですが、すっきりと終わり、感動の余韻に浸りながら読み終える事が出来た本作は、山崎豊子最高の作品と言っていいと思います。ビジネスマンには必読の本かも。

「不毛地帯」の実在人物(モデル)比較

壱岐正 → 瀬島龍三(伊藤忠商事会長・元大日本帝国大本営作戦参謀)
鮫島辰三 → 海部八郎(日商岩井副社長)

山崎豊子の小説


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